やっぱり…欧州EVに暗雲! VWが予定する大幅減産の中身と不振の2大理由
掲載 carview! 文:編集部 254
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急激なバッテリー電気自動車(BEV)シフトを続ける欧州から、衝撃のニュースが飛び込んできた。サブブランド「ID.」から続々ニューモデルを発表してきた独フォルクスワーゲンが、本国ドイツの工場でBEV生産を縮小させるというのだ。電動化の先端を走るフォルクスワーゲンに何が起きているのか。
まず、今回のEV生産縮小は、フォルクスワーゲンの工場労働者団体からの情報がネタ元となっている。具体的には、日本国内でも販売されている電動SUV「ID.4」および4月にワールドプレミアされたばかりの電動ミドルサイズセダン「ID.7」の生産を削減ないしは延期し、独エムデン工場において、7月から8月に予定される従業員の夏季休暇を3週間から4週間へ延長するというのだ。
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<写真:VW ID.4>
しかも、この休暇延長は一部の従業員にとって「恒久的」、つまり解雇を意味するものになるという。その規模はエムデン工場で生産に従事している1500人の派遣労働者のうち5分の1に当たる約300人に相当するとのことだから、これが事実なら8月末でエムデン工場の生産能力はガクッと下がることになるだろう。
労働者団体トップがメディアに語った内容によると、こうした措置は欧州におけるBEVの需要がメーカーの予測より約30%も低いことが背景にあり、需要低迷の主因として独仏などで実施されたEV補助金の削減を挙げている。
そうなると注目されるのは、近い将来、欧州のEV需要は回復するのかということだ。
この点、フォルクスワーゲンのスポークスパーソンは楽観的で、需要は年内に復調すると見ている。そして、エムデン工場での生産縮小も一時的なものであり、延期されたID.7の生産が年末に開始されれば、生産は元の水準まで増加すると説明する。
たしかに、自動車メーカーの苦境を見て政府が補助金を復元する可能性は否定できないし、厳しい状況にある欧州経済も年内には回復基調に戻るかもしれない。
ただし、もっと根本的な問題として、割安な中国製EVが欧州で存在感を増していることには注意が必要だろう。例えば、日本国内でも販売が開始された「BYD(ビーワイディー)」のほか、「NIO(ニオ)」、「LYNK & CO(リンク・アンド・コー)」、「Maxus(マクサス)」、「Xpeng(シャオペン)」など、欧州では多くの日本人にとって耳慣れない中国ブランドがEVを販売しており、高いコスト競争力で存在感を増している。
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<写真:BYDの日本初上陸モデルATTO3>
なにしろ、中国は世界最大のバッテリーメーカー「CATL」を擁することもあって、EVのサプライチェーンが膨大かつ安定しており、平均するとEV1台当たり1万ユーロ(約156万円)程度も欧州より安く製造できるのだ。
一部の高級車だけでなく、大衆車も含め幅広くEVシフトを進めるにはコンパクトかつ廉価なEVが不可欠。このことは誰もが認めるものの、いざBセグメントのEVを作っても欧州産だと、どうしても高価になってしまう。
一例を挙げると先日発表されたID.ファミリーのエントリーEVコンセプト「ID.2オール」でもスタート価格は2万5000ユーロ(約390万円)切りが目標とされており、所得の少ない若年層においそれと手が出せるモデルではない。ということで、急激なEVシフトが自縄自縛となり、欧州産EVは中国勢に押され気味というのが、今回の問題の本質と見るが、どうだろうか?
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なお、同じエムデン工場産でも内燃機関(ICE)モデルの「パサート」は生産体制に変更なしと言われているから、完全に明暗が分かれている。近年一気にEV傾斜を強めた欧州各メーカーだが、その道行きは意外に険しいものになるかもしれない。
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